どっちがお得!?

1月のとある日、片方だけ手袋を紛失した。とりあえず思い当たる駅に足を運び聞いてみた。「茶色の革の手袋落し物にありませんか。」


窓口で聞いたところ駅長室にそれらしいものがあるというのでわくわくして行った。電話中であったらしく駅長室の椅子に坐らされかなりの間待たされた。そしてやっとご対面!


……違っていた。しかもそれはどう見ても男物だろーーー!


がっくり。。。


しかしあきらめきれずに次なる駅に翌日行ってみた。

……なかった……。


時間をとられるうえに見つからない。探しているものがありきたりすぎて特徴がない。再び心当たりのある駅に行って落し物をたくさん見せられてその中から自分のものを見つけられる自信もない。。。落し物センターに電話する気力がわかないのだ。

ということであきらめました。決別しました。


悔しかったけれども、すぐに買いました。次なる手袋を!

だって寒いんだもん!真冬に手袋が無いのはつらすぎます。


某百貨店の店頭ではめてみました。ちょうど冬のセールが始まった頃で品ぞろえは正直あまりよくありませんでしたが、背に腹はかえられません。

ベテランらしき店員さんに「手袋を落としてしまって…」というようなことを言ったら、そういうお客様多いんですよ。先ほども片方落とされたとかで買っていかれました…とのこと。そうかそうか。よかった……(←なにがじゃい!)。自分だけではないという変な安心感です(汗)。

すると、彼女はあるものを一緒に買うことをすすめてくれました。


それは…「グロ―ブホルダー!」←名称はうろ覚え


洗濯バサミのような形状で手袋をはさみます。チェーンがついているのでそれをバッグの持ち手に固定しておけば片方だけ紛失するとかバッグの中で手袋が迷子になるということを防げるわけです。


おおー!これはすごい!優れもの!!というわけで即購入。


んで。これをしていたところ、ある日同僚がこれに注目。何ですか?から始まり、彼もつい最近片方手袋を落としてしまったらしい。

私はかなーり得意げにこれを披露した。


すると後日こんな報告を受けた。

「ガーベラさん、買いましたよ!グローブホルダー。」


そうかそうかホルダー仲間よ!と思った瞬間ー。


「百均で」


とのお言葉。


「えええーーーっ」


するとその会話を聞いていた女性が「それね。すぐ壊れるよ」との一言。


でもね。でもね。すぐ壊れたとしても私が買ったものの値段を考えるとあと何十個は買えるよ!


そんな会話をした数日後ー。


同僚の男性がにこやかに私に近づいて来て話し出した。


「ガーベラさん、うれしい報告です」

…えっ。なになに?


「百均の例のもの、壊れました」



酔っていたらしく鞄を取る時に何かにぶつけてしまったらしい。


……うれしい報告って……


彼が百均で同じものを手に入れたと聞いたとき、自分はどれほど悔しい顔をしていたのか……。

いや。実際「悔しい」を連発していたではないかー。


なんて小さい人間なんだ!!

そんな思いから少しでも大きな人間に見せようと彼に言った。


「でもね。これから壊れて買い続けたとしてもあと29個は買えるよ♪」


毎年買い替えたとしても、29回冬を過ごせるのだ!


……どっちが得なんだ!?……