オテン
自分にとってオテンだと思うことが他人にとってはウラヤマシイということがある。
自分のオテンなど忘れたいし、ましてや人さまにしゃべることなどない。
……しかし……。
思えばその日は、おたがいコーフンしていたのだろう。
海を越えての別れ。当分会えないだろう。会えても1年後とかだろう。。。
というような感傷的な気分も多分に含まれていたのかもしれない。
私はなにかのハズミで口を滑らせた。
……お見合いをしたことがあると。
すると。。。彼女はいきなり私の方に身を乗り出してきた。
「あ、あ、あぶないっ!運転に集中させておくれ!」
……ということで、夜のスタバに腰を落ち着けしゃべることとあいなった。
彼女との最大の共通点は本がすきであること。今までお互いの本の交換をし感想を言い合ってきた。
またプライヴェートでも彼女の行動力に勇気づけられてきた。
その彼女が。。。それでそれで?と先を促してくる。
……さっきのお酒がきいているのか。そんなにキョウミノアルコトなのか……
彼女はムジャキに尋ねるのだが、いかんせん私はお見合いということ自体はずかしい体験なのであまり自分からは語りたくない。しかし口から出してしまった以上その責任はとらねばなるまい。
……帝国ホテルで食事をして、「じゃ。ここからはお若い人同士で」ということになり、日比谷公園を散歩し銀座に足をのばし……
などとなんだか安っぽいドラマのワンシーンを語っているようで、自分ではほんとにイヤになってきたのだが、彼女はすごーく興味を抱いているらしい。
……ああー。私も一度してみたかったなー。お見合い!
……なんなら今からする?……
……って。。。
若い頃、留学先で知り合ったブルーアイの男性とゴールインし、今はパワフルに暮らしているあなたにはとんと縁のない話。
だからこそ。。。うらやましがるのだろう。
なんだかうららかな秋の日差しにさそわれて、たわいのない話を思い出してしまいました(おつきあいくださりどうもです)。
……あ。ちなみにコレはここだけの話にしておいてください(笑)。