惨事

複数の病人をかかえているため、午前中は家でまったりと過ごしていた。

ドラッグストアに買い物に行ったりのーんびり新聞を読んだりしていた。


こういう休日もいいよね♪


掃除機をかけたかったが寝ている人がいるので、あとにしよー!と思いつつ、遅めのお昼の時間とあいなった。

病人食を作りこれまたゆっくりと食べていたところに一本の電話がかかってきた。


「今日、○○来ることになってる?」

と家人が私に尋ねる。

「えっ。○○?○○ねー。。。」

○○とはわが家を建てた住宅メーカーの名前だ。


「30分から1時間くらい遅れてくるって」


……ぎえええええー!!


それで突如思い出した。


今日は家の定期点検日!自分で日時を指定しカレンダーにも書き込んでおいたじゃないかー。


しかも。


昨日まで家人からさんざん今日の予定を聞かれていた。

珍しくなんにもないよ〜。

なんてのんきなことを話していた。



というわけでお昼をそうそうに切り上げ、病人くりだし急遽クリーンナップとあいなった。


ああ。こんなことなら午前中にやっておけばよかった。。。

と思ってみてもあとのまつり。


ダッシュで階段から部屋から玄関から浴室から掃除の手がはいる!


ふつうの来客だったら、リビング以外のところに緊急避難すればいいものもあるだろう。


……しかし。しかーし。


今度の客はよく柿食う客だ……じゃない!なに言ってるんだ!


今度の客は点検マンだ!


全部の部屋に闖入しドアやらサッシやらをチェックするのだ。


物を避難するところなんてどこにもないっ!


ということで焦りに焦って片づけた。


あ。その前にこのジャージを着替えなきゃっ!


とバタバタし、ふと時計に目をやるちょうど「3時」。


あ。化粧……。いいや首から上がついてれば!



……やればできるもんですね♪


ピンポーン。インターフォンが鳴った。


「遅くなりまして……」

「いえいえ。お待ちしておりました♪」


と何事もなかったかのように笑顔で客を玄関に迎え入れたー。