ボストン美術館 浮世絵名品展に行ってきました!

大むかし(学生の頃)に、ボストン美術館所蔵「日本絵画名品展」を見に行ったことがある。
曼荼羅図や平治物語絵巻、馬頭観音像図など朱色がとても鮮やかだったことが印象深く記憶に残っている。またその作品数の多さにも驚いた。


そして今回ー。
同美術館から浮世絵が来日した(もともとは日本のものなのだけれど 笑)。これまた多くの作品がある。そして前回見たときと同様朱色がうつくしかった。それだけ保存状態が良いのだろうー。(唐突に思い出したのだが、3年前にボストン美術館(本場!)を訪れた時浮世絵がごっそりなかった 苦笑)



<浮世絵初期>17世紀後半〜1760年代
<春信様式の時代>18世紀後期
<錦絵黄金期>その一 美人画の変遷  その二 役者絵の変遷
<幕末のビッグネーム>その一 葛飾北斎  その二 歌川広重


というように章立てし浮世絵の歴史がつかみやすいように展示されていた。絵を見ていくだけでその変化が一目瞭然だ(菱川師宣の頃は墨一色。その後多色摺り浮世絵版画となっていく。またその構図も変化していく)。もちろんその横に解説が展示されているのだが、いかんせん人が多くてじっくり読むどころではなかった(汗)。音声ガイドを片手にじっくり鑑賞されている人の姿も見られた。来場されている方の年齢は高かったように思う。


さて私が今回印象に残ったのは、<見立絵(みたてえ)>だ。


<見立絵>とは、<古典文学や中国の故事・説話などを、同時代の人物や風景、小道具に置き換えて描く表現方法。見立絵の原典を当てたり、作者の機知や洒落を楽しんだ>(案内本より)というもの。


絵の中にヒントが隠されている。それを見破るのがおもしろい。絵師のなぞかけ(?)を解く楽しみがある。実際鈴木春信という浮世絵師はずばぬけた才能の持ち主で、機知に富む見立絵を多く手がけたそうである。

錦絵というのは多色摺りなので、色が違う版を何枚もぴったり摺り重ねることが大切。顔の輪郭がずれたらおかしい。彫る技術、摺る技術。どちらも卓越したものがないとできない。すばらしい芸術だなあと浮世絵を再認識した。

また、かのゴッホ歌川広重の浮世絵を30年後に油絵の作品として描いている。絵の内容・構図はほとんど同じだ。


また、常設展にも足を運んでみた。これは同博物館(江戸東京博物館・両国)の上層階にある。


こちらは、江戸時代の歴史、文化、政治、教育、商業などに関するものの資料が広い会場に展示されている。
肥溜めの樽をかついでみよう!とか
纏をまわしてみよう!(←これが15㎏ぐらいあって重いんだ!しかもピラピラしているのは革なんですね!)
という体験ゾーンがあったり、江戸城や当時の町の様子を表した模型があったり。
とにかく一つ一つていねいに見ていたら時間が何時間あっても足りないくらい。舞台も設置してあり時間によっては、落語をしたりするようだ(芝居のようなことはするのか?)。


もっとじっくり見たかったが、次の予定があったので切り上げた部分もあった。


……いやあ。江戸時代っておもしろいですねー!