「ヤナーチェク :シンフォニエッタ 」 EMI CLASSICS

タイトルを見るなり「おお〜!!」と叫んでしまった。
「ここにいたかー。お主〜!」

すごい偶然!うれしい!と自分でハックツした気になっていたのだが、なんていうことはない。このCDはきちんとそういうコンセプトを持っていたのだった。

それは。。。

「小説に出てくるクラシック」というサブタイトルが示すように、作家村上春樹氏の著作『1Q84』の中に登場する曲を集めたもの。



他には以下の曲が収められている。

  J.Sバッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 ハ長調 BWV846
  前奏曲
  フーガ
 

  J.Sバッハ:平均律クラヴィーア曲集 第2巻 第24番 ロ短調 BWV893
  前奏曲
  フーガ 
 

  J.Sバッハ:マタイ受難曲 BWV244から「懺悔と悔恨」(第1部)


  ダウランドラクリメ(涙のパヴァーヌ


  ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ短調 Hob.Ⅶb_2(作品101)
  第3楽章:ロンド(アレグロ


  アイルランド民謡(ブリテン編):夏の最後のバラ(庭の千草)


  デュプレ:エヴォカション組曲 作品37から 第3曲:アレグロ・デチーソ


  ブラームス交響曲 第1番 ハ短調 作品68
  第1楽章:ウン・ポコ・ソステヌートーアレグロ


  シューマン:子どもの情景 作品15から 第7曲:トロイメライ

  
  J.Sバッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826Ⅳ:サラバンド


以前、『1Q84』の中に出てくる地名や出てくる場所のイメージを撮った写真集を見かけたことがある。ぺらぺらページをめくったが、すぐに閉じてしまった。自分の中にある漠然としたイメージを何かの映像で固定したくなかったからなのか何なのか。よくわからないが見たくなかった。


しかし、今回この「音楽」に関しての情報は得たい気がした。


ヤナーチェクシンフォニエッタ。小説を読んで初めてこの曲の存在と作曲家を知った。今この記事を書きながら1回だけ聴いたのだが、出だしのファンファーレにぐっとひきつけられた。迫力がある。第1楽章から第5楽章まであるのだが、だんだん盛り上がっていく。おもしろい曲だ。


1926年に作曲されたというこの曲が生み出された直接のきっかけは「チェコの体操協会への第8回全国大会向けに音楽を依頼されたこと」だったそう。冒頭のファンファーレの着想を得たのは、カミラ(38歳年下の妻)と一緒に聴いた軍楽隊の野外演奏からだったという。さらにヤナーチェクチェコに生まれた)は、第1次世界大戦後に独立国となった祖国の勇気と自由を祝福し、全5楽章の「小さな交響曲」としたそうである(本CDの解説より)。


なんとも味わいのある曲。楽しみができた。何度も繰り返し聴いてみたい。


ちなみに本CD所収の「シンフォニエッタ」は小澤征爾指揮 シカゴ交響楽団による演奏です!