映画「コクリコ坂から」を観ました

ジブリの映画を久しぶりに観ました。「千と千尋…」以来か(苦笑)。
観たいと思ったきっかけはCMに流れていた音楽に惹かれたからです。曲名は「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」(歌:手嶌 葵)が素敵だったからです。なので先にCD「コクリコ坂から 歌集」を入手し聴いておりました。映画の内容というより曲を聴きたいという欲求からでした。


企画・脚本・宮崎 駿  監督・宮崎 吾朗
原作は月刊雑誌『なかよし』に掲載された同名の漫画(高橋 千鶴 原作・佐山哲郎)です。


個人的にはすきな話でした。1963年の日本の様子(横浜や東京)を映画の風景を通じて見ることができたような気がします。東京オリンピックの前年でこんなポスターが貼られていて、こんな歌が歌われていて…というような。海が朝食を支度しているシーンも引き込まれ目が離せません。あ。海というのが本作品の主人公です。


一番惹かれたのが「カルチェラタン」(旧制高校にある文化部部室の建物・明治時代に建てられたもの・男の魔窟)の存在とその存続をかけて「全学討論会」をするシーンです。「古くなったので建て替えをする」という発言者に対して俊がいう言葉がカッコイイ。長いけれども引用してみます(映画の中では最初と最後の部分だけだったと記憶しています。違っていたらごめんなさい)。


「古くなったから壊すというなら 君たちの頭こそ打ち砕け!

 古いものを壊すことは 過去の記憶を捨てることと同じじゃないのか!?

 人が生きて死んでいった記憶を ないがしろにするということじゃないのか!?

 
 新しいものばかりに飛びついて 歴史を顧みない君たちに未来などあるか!! 
 少数者の意見を聞こうとしない君たちに 民主主義を語る資格はない!!」


この言葉をきっかけに男子学生たちが壇上に上がってもみあいとなり会場は騒然となるのですが、ある生徒が小講堂に飛び込んできて生徒会長に合図を送り会長・水沼がいきなり美しいテノールで歌い出す。すると他の生徒も姿勢を正して合唱を始める。入ってきた指導教官二人はニヤッと笑いその場を去る……と続きます。


この旧制高校の硬派な雰囲気がたまりません(笑)。


もちろん海と俊がひかれ合っていくところもいいと思いますが、ね(これに関してはあえてノーコメントです 笑)。ディテールもツボでした(鉄筆の音・マッチをする音など)。パンフレット、脚本(角川文庫より出版)、サウンドトラック、グッズ…と関連商品がいっぱい。これに関しては結構入手しいろいろに楽しんでおります。



あともう一点。調べてみたいなあと思ったのは朗読詩「生徒諸君に寄せる」(宮沢賢治)。これはCD(歌集)の11番目に入っていた曲「紺色のうねりが」につながるのかな?ここら辺の関係性をさぐってみたいと思いました!


そうそうもう一つ。「さよならの夏」を森山良子さんが過去に歌っておられたとか。それなども聴いてみたいと思いました。



……すみません。映画からかけはなれたところでの感想となってしまいました。映画を語るにはあまりにも観ている数が少ないのでよくわからないのですが、自分の中にある思い出やら記憶やら興味やらがいろいろと広がったという意味で自分にとってはいい映画でした。


*「生徒諸君に寄せる」・・・こんな画像を発見しました!
   →http://why.kenji.ne.jp/asahi.html