はずみがついています!

中谷 彰宏著  『セクシーな整理術』(学研パブリッシング
佐藤 可士和著 『佐藤 可士和の超整理術』(日経ビジネス文庫)


以上先日に引き続き「整理」関係の本を2冊読みました。これを読むと更に周辺を整理したくなります。


特に佐藤氏の著書!帯に「20万部のベストセラー」とあるように、5年ほど前に単行本で出版されたものの文庫版なのです。アートディレクターでありクリエイティブディレクターでもある氏の文体がとにかく潔くて読みやすい。文章もわかりやすくさすがインパクトのある素敵なデザインやシンボルマーク(ユニクロとか国立新美術館など)をされる方だけあるなと思わされた。

そして今まで読んできた他の著作と大きく違うのは、「空間」の整理だけにとどまらず、「情報」の整理、「思考」の整理にまでステップアップ(?)して述べられている点である。


このように「整理」を3段階に分けて考えられる点もすごいなあと思うのだが、「情報」「思考」の整理の仕方をご自身の仕事の進め方を具体的に挙げながら丁寧に説明しているところである。ある意味「手のうち」を明かしているとも言えるのだが、ご自身に自信がなければできる芸当ではないなあと思う。


以下、こころに残ったところを引用する。


<本質を探るということは、一見、物事の奥深くに入り込んでいくようなイメージがあるでしょう。でも実は、どんどん引いて離れていくことだと思うのです。客観的に見つめてこそ、いままで気づかなかった真実や大事なエッセンスを発見することができる。>


<表現とは、たとえればスープのようなものでもあります。たくさんの情報のなかから魅力を抽出したあとに、旨味(魅力)のエキスを凝縮するような感じ。「控えめで、芯の強さがあって、ボランティア精神も備えていて…」。文で説明すると長くなって伝わりにくいところを、シンボルマークにギュッと凝縮させたのです。>


<・空間の整理……整理するには、プライオリティをつけることが大切 ・情報の整理……プライオリティをつけるためには、視点の導入が不可欠  ・思考の整理……視点を導入するためには、まず思考の情報化を>


<・定期的にアップデートする→モノを増やさないため ・モノの定位置を決め、使用後はすぐに戻す→作業環境をすっきりさせるため ・フレームを決めてフォーマットを統一する→わかりやすく分類するため>(*以上は「空間」の整理のポイント 引用者注)


<・視点を引いて客観視してみる ・自分の思い込みをまず捨てる・視点を転換し、多角的に見てみる>(*以上は、「情報」の整理のポイント 引用者注)


<・自分や相手の考えを言語化してみる ・仮説を立てて、恐れず相手にぶつけてみる ・他人事を自分事にして考える>(*以上は、「思考」の整理のポイント 引用者注)


<「整理と問題解決は、同じベクトルでつながっている」ということが、各章の内容から感じてもらえたと思います。“問題解決”は、“あるべき姿を見つけること”と置き換えてもいい。あるべき姿を見つけるひとつの方法として、整理術があるのです。
 整理して新しい視点を見つけるということは、それまで見えなかったものが見えてきて、視界がクリアになるということ。新鮮な気分になったり、インパクトを与える切り口が見つかったり、人を感動させるポイントが把握できたりーポジティブな発見がたくさんあります。つまり、視点を見つけたその時点で、アイデアの糸口になっているはずなのです。>


<アイデアが出ないと悲観する前に、まず目の前のものを見つめなおしてください。いまもっている情報を整理して把握するだけで、十分対応可能になるのです。整理は、新しいアイデアを開く扉です。決して義務にかられて行う事務的なものではありません。それどころか、答えを導きだすための非常にクリエイティブな作業なのです。>



相手(クライアント)が言語化できない会社への想いやデザインの要望を、簡潔に言語化しさらにそれをデザインする。すごい頭の中身!だと思う。そのためには、いろんな意味で「余計」なものがあってはいけないのかもしれない。たくさんの情報つなぎ合わせて思考しさらにそぎ落として大事なものだけを残していく作業なのだからー。


「整理」もこう考えていくと「深い」なあと思いました。


そして昨今の自分。はずみがついて、いろんなところを整理しています。「瞬時」に判断して物を捨てる(もしくは残す)。この作業を繰り返していくと、脳に回路ができて他の違う仕事の判断も早くできるようになった気がする。(継続していかないといけないですね 汗)


「整理」をすると物事を「先送り」しないようになる。そんなことを感じた今日この頃です。