真夜中のインターフォン
毎日暑くて寝苦しい。一晩で2〜3回ほど目覚める。昨晩もいつものように目が覚めた。しかし、それは暑さのせいだけではなくある「音」のせいだった。
それは家の門に付いている「インターフォン」の鳴る音だった。ふと時計に目をやる。
−午前3時30分ー
だれ?こんな時間に。いたずら?それとも自分の聞き間違え?
そう思いながら、階上のベランダに出て外のインターフォンをうかがった。
誰もいない。
そうだよそうだよ。こんな時間におかしい。おかしすぎるよ。自分の聞き間違えだ。
そう無理やり決めつけて再びベッドに横になった。
さて、そんなことがあった翌日の午前中。
インターフォンが鳴った。
「はい。」という返事とともに画面を映し出した。
だれもいない。だれも画面に映っていないー。
なに?いたずら?ピンポンダッシュ?
気になって、外に出て周りを見回した。ひとっこひとりいない。ポストの中には一通のメール便。
これを入れた人が鳴らしていったのか?
そんなことを思いながら家に入ったとたん、またピンポン。
「えっっ」
即座に画面を映し出す。だれもいない。こんな短い時間にピンポンを押してこの画面から消えることはできない。
自分は悟った。そして電話をかけた。
「インターフォンの故障です。」
……本当に故障、だよね?……