村上 龍著 「55歳からのハローライフ」 幻冬舎

いやー面白かった!!ラストに泣ける話あり。これから、あたたかい飲み物をゆっくりじっくり味わいたくなった。読後感がとてもよかった。

以下が目次

結婚相談所
空を飛ぶ夢をもう一度
キャンピングカー
ペットロス
トラベルヘルパー


本書は新聞に連載された作品に加筆・訂正したものだそう。

「55歳からの」とタイトルにある通り、主人公はその年代から上だ。夫婦のあり方、友達とのつながり、定年、再就職、ペットとのつきあい。などどれをとっても<輝かしい>ことはあまりない。むしろ悲喜こもごも。

そういった日常の中のひとこまを題材に描かれており、自分の<55歳から>をイメージすることができた。

生きていく上で何を大切にするべきか。信頼とはなにか。友達とのつきあいかた。夫婦の形。定年を迎えた後の生き方はどうするかー。

普段は忙しさに紛れてあまりつきつめて考えていない。でも来たるべき「時」が来たときに「後悔」することだけは避けたい。

遡って考えると、「今」できることは?何か「準備」することはあるのか?
そんな視点で本書を読んだ。

本書の好きだった点は、どの話も主人公が行動を起こしそこから何かを感じ、相手との距離感が変わったり、何かをつかむという点だ。もうひとつは、リアリティがあり作品世界にすっと入れたこと。(いろいろな職業や土地が出てくるのだが、よく取材をされているのだろうなあと思いました)。


村上龍さん、更にすきになりました!