2009-01-07から1日間の記事一覧

 重松 清著 「その日のまえに」 文春文庫

本書は「死」を真正面から描いた短編集である。 著者のことばを借りれば(文庫版のためのあとがきより)<「生きること」と「死ぬこと」、「のこされること」と「歩き出すこと」を、まっすぐに描いてみたかった。>作品の集まりである。 短編でありながらど…

上橋 菜穂子著 「獣の奏者 Ⅱ 王獣編」 講談社

本書は「獣の奏者 Ⅰ 闘蛇編」に続くものである。王獣と娘(主人公 エリン)の交流を描いた物語。 けれどそれは、決して心あたたまるものではない。物語を読み進めるにつれ、読者である自分も苦しみ悩み心がだんだん塞がれていく。そんな気持ちに何度かさせら…