太田 光著 「向田邦子の陽射し」 文藝春秋

爆笑問題の太田氏がものすごくまじめに、力をこめていや愛情をこめて(?)著したということが伝わってくる。

アマゾンから本書を紹介するメールが届き購入しようか迷った。レビューを見てみたら☆が結構ついていたのでわずかばかり期待しながら本書を注文してみた。

結果。よかった。非常に読みごたえがあった。期待以上だった。


著者の太田氏はかなり向田作品を読みこまれており、作品分析を読むとなるほどと思ったりへーと感心したりいろんな発見があった。自分の思っていることを言語化してくれるのでとてもすっきりした。共感する箇所がいくつもあった。


本書が読者にやさしいと思ったことがある。それは、太田氏が絶賛している作品を二段組みで掲載していることである。自分もエッセイやら短編やらを過去に読んではいるが、作品の細かいことは忘れてしまっている。なので、ここに作品が掲載されていることで即読むことができる。初めて向田作品に触れる人にとってはとてもいい本といえるかもしれない(きっかけとして)。

いや、でも。このような人の感想を聞く前にまっさらな状態で向田作品に向き合い、自分がどう思うかをとらえた上で本書を読んだ方が、さらにこの本を味わえるかもしれない。


自分は本書を一気に読んだ。止まらなかった。そして寝不足になった(苦笑)。


自分の「好きなもの」について語るって楽しいことなんだなとあらためて感じました。「読書」は著者との対話だと思っているので。
とはいっても、自分はうなずき、うなっている聞き役ですけどね(苦笑)。