池上 彰著 「わかりやすく<伝える>技術」 講談社現代新書

面白かった。というかためになった。
特にパワーポイントを作成する人には一読の価値あり。そうでない人でも、このように話をすると相手に<わかりやすく>伝えることができますよというポイントがつかめ、明日から使える本である。

特になるほど!と思ったのが第8章「日本語力を磨く」。使いたくない言葉として「無意味な接続詞」を挙げている。「そして」「ところで」「話は変わるけど」「こうした中で」「いずれにしましても」「が」「○○したいと思います」「実は」など。また逆にマジックワードというものがあり「大変なんです」「大変、大変、聞いてよ」という言葉から始まる文章を考える。文章ができあがったら、冒頭の「ねえ、ねえ、大変」という言葉を削除すると、勢いのある説得力のある文章が作れるという。

使いこなせば有効なマジックワードには「つまり」もあるという。「つまり」を結論の前にもってくると、話を抽象化し、まとめられるというのだ。ただし、三分間の話の中で最後の部分で一回だけ、と決めておいた方が効果的だとか。

まず「話の地図」を相手に示す、図解してから原稿を書き直す、コラム①〜⑦などどれも、池上氏のキャスターの経験から得た内容なので説得力があり手元に置いておきたい本であった。