ケリー・マクゴニガル著 「スタンフォードの自分を変える教室」 大和書房

「自分を変えたい」と思って読んだわけではない。ある人が<面白かった。先生がとても美しい。>と言っていた…というミーハーな理由で本書を手に取った。

一気に読めた。ものすごく面白い!!。


著者はスタンフォード大学の医学部健康増進プログラム担当の健康心理学者であり教育者。そして「意志力の科学」という講座を立ち上げ、絶大な人気を博したという。同大学で優秀な教職員に選ばれ賞を得たという。

自分を変えるためには、自己コントロールの限界を理解し、「意志力を鍛える」ことが必要だという。その実験例、実践例がたくさん紹介されていてとても説得力がある。各章(10章をのぞく)にポイントが記され(横書き1ページにまとめてある)、それまで読み進めてきたことがそこですっきりと脳内で整理される。

個人的には第9章がこころに残った。引用してみる。


<思考や感情や欲求を抑えつけようとするのは逆効果で、そうするとかえって自分がどうしても避けたいと思っていることを考えたり、感じたり、おこなったりしてしまうことがある。>


<「やらない力」を「やる力」に変える 「〜しない」というチャレンジを、「〜する」という「やる力」のアプローチに変えてみましょう。そうして、「やらない」ときめていたときとの効果のちがいを観察しましょう。>


そういえば、浅田真央さんがスケート演技で「ミスをしない」ではなく「ノーミスを目指す」という表現をしていましたね。どんな言葉をつかうかということはとても大切なのですね。


<「欲求の波」を乗り越える 欲求を感じたら、体でどのような反応が起きているか、その感覚に意識を向けましょう。欲求を頭から追い払おうとせず、なおかつ欲求に従って行動することなく、欲求の波を乗り越えましょう。>


次は第7章のポイントより引用。


<「10分待つ」と何が起こるか? どんな誘惑を感じても、必ず10分間は辛抱して待つようにしましょう。その10分のあいだに、誘惑に打ち勝ったらいつか手に入るはずの報酬のことを考えましょう。>


<「万能の自分」を待っていませんか? 今より意志力の強い自分が現れて、大きな変化を起こしたり重要なことを行ったりしてくれるのを待っていませんか?>



誘惑に負けそうになったら(欲求を感じたら)ひと呼吸おく。すぐに気を紛らわそうとしたり否定しない。自分にとって大事な目標を思い起こすと良いそうである。


各章にある<意志力の実験>を試してみたくなった。

……そういえば自分も変えたい部分があったことを思い出しました(苦笑)