山崎 豊子著 「大地の子(一)〜(四)」 文春文庫

山崎豊子氏の著書は本当にしんどい。読むのがつらく一気に読めない。少しインターバルをとりながら、違う本を途中にはさみつつ、四冊を読了。

戦争によって、ある男性の「生」が翻弄される。自分の中の日本人としての血。中国人として育てられた環境。自分の出生を隠しながらも、周りからの愛情を受けて育っていく陸一心。養父母(特に父親)の無償の愛には心打たれる。また、実父との再会の場面も落涙する。

虐げられても傷つけられても、どんなにしんどくても投げやりにならず生きていく。そんな主人公の姿に感銘を覚えた。また、「中国残留孤児」と呼ばれる人の過酷な生き方を垣間見た気がする。