角田 光代著 「紙の月」 角川春樹事務所

「お金」について考えさせられる一冊。

主人公は、銀行に勤める(契約社員)40代の主婦。
真面目で誰からも信頼されていた彼女が1億円を横領する。
その過程とその後がていねいに描かれる。


また、彼女をめぐる2人の友人の「お金」のつかいかたも描かれる。
一人は、買い物依存症。一人は節約。


「お金」を介してしか娘とつながることができなくなる母親。節約、節約によって、家族のこころが離れてしまう母親。


淡々と話が進行するのだが、いつのまにか登場人物に自分を重ねて読んでいる。全部ではないが重なるところもあり、お金と幸せの関係について考えることができた。