藤井 孝一著 「読書は「アウトプット」が99%」 三笠書房知的生きかた文庫

書店をサクサクと歩いているときに、ふと目にとまった本。まずタイトルに。そして表紙にー。

表紙の面積の3分の一を占めるタイトル。ここに著者の思いがぎゅっとつまっている。メッセージが直球で伝わってきた。また、表紙が珍しく(?)カラー写真入り。書棚の前に立っている青シャツの男性が(顔は見えず)、本をパラパラと読んでいる。この写真に図書館&書店好きの自分は、一瞬で魅かれた。


そして内容。これも実に良かった。

印象に残ったところを覚書。

・学んだことを「出し惜しみ」しない。本は活かさないと意味がない。本で得た情報や知識も流さないと、頭の中で淀んでしまう。

・本は「買いまくり」「読みまくる」こと。いい本は購入した人が手元に残してしまうので、古本市場には出回らない。本を探すことに時間をかけるなら、読書に時間を投資すべき。

・ネットはいくら使いこないしても浅い思考になりがちな一方、本では深い思考をすることができる。すぐに答えが手に入るようでは、自分で思考するプロセスが抜け落ちてしまう。いくら情報を集めても洞察力は養えない。

・本は「何冊が同時に読む」ほうがいい…目的に合わせて読む本を変える。読書はスイッチを切るための最適なツール。

・たったひとつ、本に書いてあることを実行しただけだが、その実行があって初めて、本が自分の血肉になったといえる。ワークを実際にやってみるのも立派なアウトプット。本を読むだけでなく「使う」という感覚。

・自分の言葉に置き換える、意訳する。それもアウトプットのひとつ。

・書評を書くときの3つのポイント…その本に「何が書いてあったか」「そこから何を学んだか」「それをどう活かすか」。この3つを柱にしてまとめる。

・人間としての幅がないと、ある一定レベル以上の人物にはなれない。自分が感動できる人間でなければ、いい仕事をなし遂げることはできない。感動を得られるのは圧倒的に文芸書。

・読書の時間は「自分でつくり出すもの」…著者が気を付けていることは、電車内では座席に座らないようにすることだそう。ウトウトしてしまうので。

・時間を有効活用するためには、優先順位を付けることが必須。読書が将来の自分をつくり上げてくれる。

・最終章には、著者のお勧めの本がテーマ別に18冊ほど紹介されている。…何冊かは読んだことがある。興味深い本がたくさん。手に取ってみたい。


そして、本書の中で実は一番心に残ったのが、「習慣」についての記述。

・何事もまず3週間は続けるようにしている。この3週間は例外なく続けるのがコツ。3週間続いたら、次に3か月続ける。3か月続けば1年続けられる。1年経てば、人間の細胞の9割は入れ替わると言うから、習慣は自分の体に染みつく。


本書を読んで、まずやってみようと思うことがいくつかあった。「読書」自体はインプットである。アウトプットをいかにするか。得た知識をどう自分の人生に活用するかが大事。自分の将来を見据えて読書と向き合いたいと思った。