下重 暁子著 「女50代 もっと楽しんで生きる」 大和出版

あと○年で50代に突入する。その○の数値が大きいか小さいかは人によって差はあるにせよ、必ず50代に突入する。どんなにいやだ!ともがいても(苦笑)。

歳を重ねるって悪いことではない…とは思うが50代ともなると、自分ひとりだけのことではなく両親とか子供とか配偶者との付き合い方もしっかり向き合っていかねばならないと思った。まだ差し迫ってはいないうちに「考えて」おかないと、「いざ」というときに慌ててしまうしそれが後悔につながりかねない。

著者の本はかつて「女が40代にしておくこと」を読み、生き方の指針や視点やを得られた。図書館にさらに年代が上がった本があったので、迷わず借りた!(買わなくてすみません。結構古い本(1996年初版)だから今売っているのかな?)。現代だったら「ネットとのつきあい方」などにも触れてくれるかもしれませんがー。


以下が目次

序章 五十代―“個性的な人生”はここからはじまります *自分らしく生きられる最後のチャンス

1章 「子離れ」のすすめ
2章 定年を控えた夫とのつき合い方
3章 年老いた親との“いい関係”
4章 親戚・隣近所とのかかわり方
5章 五十代からの友だちのつくり方
6章 子育て後の“生きがい”を見つける法
7章 「第二の人生」を楽しむ方法
8章 自分にあった健康法
9章 いつまでも若々しくいられる秘訣
10章 「いくつになっても美しい女」の秘密
11章 六十代、七十代を見すえた人生計画

*終わりに*「生き方」ちょっと変えてみませんか?


行き当たりばったりに生きるには、残りの人生の持ち時間が短かすぎる。やっぱりなにかしらの「計画」らしきもの、自分の人生をデザインしたほうが後悔しないと思う。そのためのアイディアが詰まった本だった。以下こころに残ったところを覚書。< >部分は引用です。


<親は少なくとも、子供が成人したら、子に期待しないことだ。いやもっと小さい頃から、余分な期待はしない方がいい。期待はやがて親の側からの一方的な押しつけになって、子供をがんじがらめにしてしまう。>


<子供に独立心を植えつけ、一人立ちしてほしいと思ったら、まず自分の子供という考え方をやめること。一人の個として認めてあげる。その上でたまたま親と子という間柄なのだと考えたい。>


<相手が年をとったら、こちらが聞き上手になることが大事だ。話してしまえば気がすむことだって多い。>


<自分の存在意義を見つけるにはどうしたらいいか、仕事、趣味、いろいろあろうけれど、少ししんどいことをした方がいい。しんどいことの方が、やり終わった充足感があり、ラクなことはラクな分だけ、心に残らない。ちょっとしんどい、自分には手にあまるというものに挑戦すること。それがきっと結果的にあなたを生き生きさせる。誰にいわれたのでもない自分で決めたことは、自分で守る。やらないのは自分の怠慢、すべては自分にもどってくるだけだ。>


<『仕事は楽しく、遊びは真剣に」これが私のモットーである。><仕事は趣味のように楽しんで、趣味は仕事のように真剣にやることができたら幸せである。>



<「目の臆病、手のげじげじ」目は臆病で、こんなもの自分にできるかしらとおじけづくけれど、ただ黙って手を動かしていると、手は知らぬまに一つ一つやり終えて、いつかでき上がる。結果ばかりを見ずに今できることを一つず積みあげなさい、ということをいったのである。>(*言ったのは著者の母親です←引用者注)


<五十代になったら、もはや環境のせいは許されない。環境のせいでできなかったのではなく、自分がやらなかっただけなのだ。環境が変わっても、ぐちをいう人はまた同じことをくり返す。最初は目新しくとも、やがて馴れると、またぐちをいい、人を羨む。環境が変わると自分が変わるのではない。自分が変わると、環境が変わるのだ。今自分の置かれた環境からはじめないと、何ごともはじまらない。今いる場での自分の生き方を変えると環境は少しずつ開けてくる。>


<年をとることは、感動がなくなることでもある。少女の頃は、箸が転んでもおかしい時期で、いつも笑い転げていた人も、すっかりおばさんになり、何を見ても感動しなくなる。淋しいことだ。><一つ感動したら、細胞が新しくなると私は信じている。感動とは、人間の内側から起こり、外へ向かっていくものだから。>


<私たちも、他人と比較して行動するのをやめよう。自分で考え、自分で選び、自分で行動できる、五十代はそれをする義務がある。そして、個として生きるための土台をつくる最後のチャンスかもしれない。五十代でできない人は、もう一生個として生きることはできないかもしれない。>


<いずれにしても、五十代からは、外側よりも中味で勝負なのだ。外側で着飾るのではなく、中味が着る物を支配することが大切だ。それまでに中味を育てあげて、中味が主で、着るものは従というふうにならなければならない。どんなによいものを着ていてもさりげなく、それが五十代からのおしゃれである。>


最後に長生きのコツ六か条を箇条書きに抜粋してみる。これは著者の九十を越えた祖母が「長生きのコツ四か条」として町の若い人に答えていたものに、著者が二か条足したものである。

1、何か仕事をすること…何か自分が社会に役立っている。誰かが喜んでくれるということが、生きててよかったということにつながった。
2、くよくよしないこと…自分で自分の運命を受け入れ、自分で責任をもつ。くよくよしたり、人を羨んだりする気持ちを断ち切る。
3、合い間食いをしないこと…自分で自分の健康管理をする。
4、何か信じるものを持つこと…信仰でなくてもよい。心の支えを持つことという意味。
5、個性的になること…ほんとうに好きなものに向かう。
6、感動を持つこと


なかなかに厳しいお言葉もあるが、ひとつの指針としてとらえていきたい。うまく歳を重ねるって結構努力がいるものですね(苦笑)。