田中 宥久子著 「生きる美学」 WAVE出版

表紙の著者カッコイイ!その理由が本書を読むとわかる。題名が示す通り著者の「美学」が語られる。その語りの口調も無駄がなく潔い。文章に力がある。

無意識のうちに女性の生き方をつらつら考えているのか、最近この手の本を自分はよく読んでいる気がする。本書の中身もいいのだが、装幀もオシャレ。表紙と裏表紙の内側が真っ赤。著者の写真やご自宅の庭・家具などが紹介されているのだがそれもうっとりするぐらい趣味がいい。
著者の肌もきれい!ってこれは当たり前ですかね(苦笑)。ヘア&メイクアップアーティストでらっしゃいますし、「造顔マッサージ」という本も出版されている方ですから。

以下こころに残ったところを< >にて引用。


<逃避の生き方をしていると、老いという戒めが突然やってきます。怖いことに、何かのせいにばかりして真摯に生きてこなかった人は、誰よりも早く老化するのです。>


<自分のやりたいことを見つけた人は人生に納得します。失敗すらも納得になります。そうすると先に進むことができるのです。><自分の人生に“納得”すれば、必ず外も内も自然と輝いてきます。そしてその輝きこそが人を美しくするのです。>


<私が研究・開発したメソッドは、すべて、「自分で、自分を美しくする」ということが前提となっています。時間とお金をかけてエステに行くのではなく、あるいは特定の商品に依存するのでもなく、自分は自分で美しくする、という主体的な意志が何よりも大切だと考えているからです。美しい自分を手に入れるためには「美しくなろう」という気持ちを持ち続けることが必要です。「絶対にきれいになる!」という強い気持ちを持ち続けるのもよし、静かに思いを燃やし続けるもよし。大事なのは心がけ。だって美しさは「意志」と「思い」で手に入れていくものなのですから。>


<むくみをとるには、体を温めて冷やさないこと、リンパをマッサージしてたまった水分や老廃物をきちんと体外に排出することが大切です。体を冷やすと血流が悪くなり、血液の重要な役割のひとつである水分や老廃物を回収して捨てる働きがうまく行われません。またリンパがつまっていたら、いらないものを体の外に出すシステムが機能不全に陥ってしまいます。細い足首を手に入れるのはむずかしいことではありません。心がけ次第で改善できます。>


<均等に脚を開いたり、均等にバッグを持ったり、とにかく何をするときも均等を意識すれば骨は歪みません。>


<一日働いてくれた足の疲れは、マッサージでとっておきます。私は、足の裏マッサージを毎晩の習慣にしています。体のマッサージの延長で、足専用オイルを使って足の指の間、指のつけ根、指一本一本をもみほぐしておくと、翌日に疲れもむくみも残しません。冷えていると感じる日は、さらに手のひら全体で足の裏を八〇回なであげる。そうすると足の冷えもなくなります。>


<「一生大事にできるかどうか」を考え、できないと思ったら買わない。買わないというより買えないといったほうが正しいかもしれませんね。「まあ、いいか」で買ってしまうのは、物がかわいそう。物に失礼だとも思うのです。買ったあとも丁寧に扱い、きちんとメンテナンスして大事にします。物もちもいいほうでしょう。物を雑に扱うと、自分の人生も雑になる気がします。>


<人の生き死には瞬間のものであって、その後も同じ生活が脈々と続いていきます。さまざまな経験を通して、自分に起きていることはすべて「幻」と思うようになりました。自分自身すら「幻」だと思えます。ならば、どうせこの世に生まれてきたのだもの、悔いのないように、思い切り生きていきたい。>


もうため息が出るくらい日々の暮らしがきちんとされている感じ!自分がいかに怠けているか思い知らされた本でした。(とほほ…)