読書

既読

伊坂幸太郎初読みです。おすすめということで、職場の人にお借りして読みました。 『魔王』 『モダンタイムス』(上)(下) 『モダンタイムス』は『魔王』の舞台の50年後という設定になっています。文庫では著者の最新刊本だそうです。書店で平積みされて…

河合 隼雄著 「昔話の深層」 講談社+α文庫

サブタイトルに「ユング心理学とグリム童話」とある。臨床心理士の著者がグリム童話をユング心理学によって読み解いた本。グリム童話…知っているお話もあるけれどもそうでないものもある。という向きにも親切な本!というのも巻末に本書で取り上げている童話…

小林 竜雄著 「久世光彦 vs.向田邦子」 朝日新書

著者の名は本書で初めて知った。タイトルにひかれて購入。今まで久世氏の向田氏への想いを綴った本を何冊か読んできた。本書を読んで、その時に知ったいろいろなエピソードが線となってつながってくる気がした。著者の述べる説をまるごと信じるわけではない…

向田 邦子著 「向田邦子全対談」 文春文庫

本書は表立っては明記されていないが、吉行淳之介氏がこの本のタイトル、体裁、座談会を除く全対談を年代順に並べる、装幀を風間完氏に依頼するようにしたこと、対談者それぞれに短いコメントを依頼すること、まえがきを山口瞳氏に依頼するプランを出しこと…

三田村 有純 監修 「ウィリアム・モリスの100デザイン」 藝祥

先日、モリスのことを書いたら本が家にあったことを思い出し記事にしてみました。 本書はタイトル通り、英国を代表する芸術家、デザイナー、詩人であるウィリアム・モリスのデザイン画が集結している。ため息がでるくらい美しい。眺めているだけで幸せな気持…

角川文庫編集部 編 「きみが見つける物語 ●スクール編●」 角川文庫

サブタイトルに「十代のための新名作」とある。本書には以下の短編が収録されている。 タンポポのわたげみたいだね 豊島 ミホ心霊写真 はやみね かおる三月の兎 加納 朋子このグラウンドで あさの あつこ大きな引き出し 恩田 陸空飛ぶ馬 北村 薫沈黙 村上 春…

阿久 悠著 「作詞入門」 岩波現代文庫

タイトルの横に「阿久式ヒット・ソングの技法」とある。帯には<生涯五千曲ー歌謡曲の黄金時代を牽引した超人的な才能の秘密 解説:鴨下 信一>と書いてある。 もうすでに著者は亡くなられている。本書は1972年5月に刊行されたもの。「僕の歌謡曲論」に…

佐渡 裕著 「僕が大人になったら」 PHP文庫

サブタイトルに「若き指揮者のヨーロッパ孤軍奮闘記」とある。内容はそのまんま、である。ただ、その指揮者は今「若い」というほど若くはないかもしれない。なぜなら、本書は某月刊誌(1997〜2001年)に連載されたもの(「ぼくが大人になったら」)…

久世 光彦著 「向田邦子との二十年」 ちくま文庫

演出家、プロデューサーであり作家としても作品を書かれていた久世氏。向田氏とは「寺内貫太郎一家」「時間ですよ」など多くのテレビドラマを手掛けられた。今は亡きお二人だが、本書を読んでいてなんだかせつなくなった。向田氏は五十二歳でこの世を去って…

太田 光著 「向田邦子の陽射し」 文藝春秋

爆笑問題の太田氏がものすごくまじめに、力をこめていや愛情をこめて(?)著したということが伝わってくる。アマゾンから本書を紹介するメールが届き購入しようか迷った。レビューを見てみたら☆が結構ついていたのでわずかばかり期待しながら本書を注文して…

向田 邦子著 「一話完結傑作選」 岩波現代文庫

「向田邦子シナリオ集Ⅵ」である。以下が目次巻頭エッセイ一話完結傑作選 母の贈り物 母上様・赤澤義雄 花嫁 眠り人形 びっくり箱 当節結婚の条件 愛という字 デビュー作ーダイヤル110番 分け前 しみ 万引部隊 欲の皮附録 解題全作品解説 年譜ー向田邦子と…

向田 邦子著 「寺内 貫太郎一家」 岩波現代文庫

「向田邦子シナリオ集Ⅴ」である。石屋の三代目「寺内貫太郎」一家の日常を描いたドラマである。ドラマの内容は知らずとも悠木千帆(現・樹木希林)が「ジュリー」と悩ましげに(?)腰をくねらせて言う場面とか、小林亜星扮する貫太郎が息子周平(西城秀樹)…

今日という日

今、久世 光彦著『向田邦子との二十年』という本を読んでいる。なんだか読んでいてせつなくなってくる。なぜなら両者ともこの世にはいらっしゃらないから。そしてなにより久世氏の向田氏への愛(男女というのではなく)が感じられるからー。 この本の巻末に…

宮崎 駿・二羽 圭子 著 「脚本 コクリコ坂から」 角川文庫

すきなものはいろんな角度から見てみたくなるものですね。 映画を観たのだから脚本など見なくてもいいじゃないか…なんて思ったりもするのですが(笑)。でも映画では知りえなかった点、見落としていた点などが本著でわかりますし、脚本以外に以下の文章も載…

向田 邦子著 「冬の運動会」 岩波現代文庫

読後せつない。うるっとくるし、ため息なんかも出る。でも何かをやり遂げたようなさわやかな気持ちにもなる。 それは本作品の男たちとともに生きた気がするからだろうかー。 <本作品のあらすじ>(裏表紙より) 万引きをした過去を持ち、社会的地位のある父…

向田 邦子著 「阿修羅のごとく」 岩波現代文庫

コワイ本である。四人姉妹そしてその両親の生き方・恋模様が描かれている。なぜのっけから「コワイ」などと言うのか。「女」の情念みたいなのが描かれているからと答えたい。以前断片的にドラマ(再放送)を見たことがあった。その時も「おそろしいー」と思…

向田 邦子著 「あ・うん」 岩波現代文庫

向田 邦子シナリオ集Ⅰ(全6冊)である。 本シリーズの特長がいくつかある。そのひとつが分厚い。もうひとつが附録がついているということである。附録といっても今流行の「バッグ」とか「ポーチ」とかではない(笑)。巻末に豪華なメンバーの「対談」(座談…

向田 邦子著 「幸福」 岩波現代文庫

本書は「向田邦子シナリオ集 Ⅲ」とある。全6集あるそうである。先日本書の存在を初めて知り、未読であったのと巻末の附録(池田理代子氏との対談)にひかれ即購入した。かなり分厚い本なのだが(574ページもある!)シナリオ本なので、一ページに字がびっ…

シュテファン・ツワイク著 「ジョゼフ・フーシェ」 岩波文庫 

タイトルの下にーある政治的人間の肖像ーとある。本書の著者ツワイクの作品を読むのは2作目。1作目は『マリー・アントワネット』(岩波文庫)であった。両者に共通しているのがフランス革命時の人物。著者による彼らの自伝的人間観察いや洞察であるという…

吉村 昭著 「関東大震災」 文春文庫

自分のイメージとは違った本だった。とはいえ、「関東大震災」について詳しくは知らなかったので、イメージもなにもないのだが(苦笑)。これほどまでに、大震災後「人心の混乱」があったとは…。著者が、幼児から両親の体験談(東京での関東大震災)になじみ…

岡田 斗司夫著 「あなたを天才にする スマートノート」 文芸春秋

いやー。面白かった!自分がかつてノートフェチ(?)であったことを思い出してしまった(笑)。今日の記事はおそらく冗長で支離滅裂でオチがないプライベートな話になるかと思うので、この本の内容について知りたい人は読み飛ばしてください♪ んで。ノート…

吉村 昭著 「三陸海岸大津波」 文春文庫 

本日発見!今読んでます。著者は他界されています。本著は2004年に第1刷。 しかし、それ以前に原題「海の壁ー三陸沿岸大津波」1970年7月 中央公論社刊<中公新書224> 「三陸海岸大津波」1984年8月 中公文庫刊などから出版されているよう…

山田詠美著 「山田詠美対談集 メン アット ワーク」 幻冬舎文庫

作家 山田詠美氏が敬愛する14人の作家との対談集。山田氏の著作は何作か読んだことがあるが、今回は対談する作家さんにも興味を抱いたので、どんな話が繰り広げられるのか目次を見て面白そうだったので借りてみた。 以下が目次。風俗と文学 石原 慎太郎 口…

上橋 菜穂子著 「狐笛のかなた」 新潮文庫

うれしいことがあった。それはまたひとり、上橋ファンを見つけたこと。そしてその人から本を貸していただいたこと。主人公は12歳の少女。人の声が聞こえる<聞き耳>の能力をもつ。それは亡き母から受け継いだもの。……ここら辺の設定は「獣の奏者」に似て…

山岸 凉子著 「ブルー・ロージス 自選作品集」 文春文庫ビジュアル版

<この本(漫画)は決して朝の出勤前には読まないで下さい。>作者には失礼だがこんな<注意書き>を、本書のどこか(帯?)につけたい。 なぜならば自分が朝の通勤時に読んでしまい、朝日を浴びながらズドーンと暗くなってしまったからだ。重いテーマがある…

中島 京子著 「女中譚」 朝日新聞出版

中島氏初読みです。記事を書く前に本書を返却してしまったので、なけなしの記憶をたぐりよせながらこの記事を書いています(汗)。本書は三篇の短編からなっています。読み始めたときはバラバラのお話かと思っていたのですが、違うことがわかり点と点がつな…

小野 不由美著 「くらのかみ」 講談社

小野 不由美氏の著作初読みです。 奥付の次頁に<かつて子どもだったあなたと少年少女のためのー“ミステリーランド”>とあり執筆人がずらりと紹介されている。そのなかの第一回配本として掲載(広告)されている。なるほど。だから実に読みやすかったのかと…

諸田 玲子著 「巣立ち お鳥見女房」 新潮社

「お鳥見女房」第五弾である。ここには人生の節目が描かれている。「生」と「死」と「婚姻」がー。(ここからはネタバレなので読んでいない人はご注意を!)まず多津と源太夫。とうとうお子を授かりました!。そしてその名付け親が久右衛門。多津の「多」と…

池田 理代子著 「あきらめない人生」 海竜社

劇画家として大成(?)されたのちに、今は声楽家として活躍されている。ものすごい血のにじむような努力をされている方。 <45歳から音大目ざして受験勉強を始め、2年後には音大生となり4年間学生をする。> このたった一行のことをするために、どれだ…

諸田 玲子著 「狐狸の恋 お鳥見女房」 新潮社

「お鳥見女房」シリーズ第四弾である。このシリーズどこから読んでもいいとは思うが、やはり順番に読んだほうがよい。 まずは、第三弾で気にかかっていた矢島家・長男久太郎の縁談話。 紆余曲折を経ながらも珠世の知恵もあり、どうにか収束していく。 その顛…